更新日2007年7月31日(文章追加)

ウサギの平均寿命を考える

思いつきでテーマを決めるこのコーナー。今回は「平均寿命」について。
(参考文献:本川達雄著「ゾウの時間ネズミの時間 サイズの生物学」, 斉藤久美子著「ウサギ学入門」)

●4年? 5年?
ウサギ飼育についてよく聞かれることで「ウサギって何年まで生きれるの?」という質問があります
飼育本などでは、よく「ウサギの平均寿命は5歳」とか「3〜5年」なんて書かれてあります
最高齢の記録は15歳というデータもありますね
ちなみに、アメリカのHRS(アメリカ・カイウサギ協会)では去勢されたウサギで8〜12年としています
ところで、この平均寿命って、どうやって割り出したのでしょうか?

確実な方法は、ウサギ飼育者全ての人にアンケートを実施して統計をとることですが、まずそこまで行う団体や企業はないでしょう
(一部のウサギ愛好団体では行っているようですが)
自分も、実験動物のデータから平均寿命を割り出したのかなぁと思っていたのですが
生物学にはそれ以外の方法もあるようです
概略ではありますが、計算式によって求めることが出来るそうです

●20億回
「生理的時間」と呼ばれる単位があります。これは各々の生物自身の体で刻まれる「リズム」とも言うべき時間のことで、私たちが普段使っている時計の時間とは異なります。
この生理的時間は、動物の大きさによって流れが遅くなっていくというのです
ネズミの場合は早く、ゾウのような大きな動物ではゆっくりと流れます。
そして、一生のうちに流れる生理的時間は、どの動物も同じではないかという考えです。

生理的時間を心臓の鼓動数で計算したら、20億回になると言われています
つまり一生のうち、心臓は20億回動いて寿命を全うするということになります。
ネズミは寿命は数年、ゾウは何十年も長生きですが、心臓の鼓動総数は同じ..という説です。

この「20億回」という数字を使えば、我らがウサギの平均寿命もおおよその計算が出来ます
20億という数字をウサギの脈拍で割れば良いのです。
ということで、計算してみましょう
 ウサギの心拍数は 一分間に130〜325回として.. 平均寿命は約4年〜11年(?!)
うーん、えらく幅がありますね..

●アロメトリー式
生理的時間を更に詳しく研究して、計算式を導き出した学者もいます
哺乳動物全般の寿命、および成長日数のアロメトリー式( Lindstedt and Calder 1981)が公表されていますので、これを用いて計算してみると更に詳しいデータが得られるようです
こちらは、その対象の体重、重さで計算するという式で
 飼育された哺乳動物の寿命(時間:分) = 6.10×10^6W^0.20 (W:体重kg)
で計算できるとのこと。(この式の詳しい内容は全く分かりませんが..)

何はともあれ、データを入れて計算してみましょう。
 体重を1.2kgとすれば → 6326537.465分 → 約4.8歳
     1.5kgとすれば → 6615277.804分 → 約5.0際
     2.0kgとすれば → 7007059.965分 → 約5.3歳
     3.0kgとすれば → 7598958.732分 → 約5.7歳

このデータでいけば、体重は重ければ重いほど長生きするということになります
実際は重くなれば肥満体になりかねないので、寿命が伸びるかどうかは?ですね

●まとめ
概略計算の場合だと、4年〜6年程度と出たわけですが..
実際、最近のペットウサギさんはそれに比べて長寿傾向になってきたと思います
それは動物医療及び医療サービスの向上、飼い主さん達のペットへの健康意識が高まってきたことが挙げられるでしょう
また、昔に比べればウサギさんの食環境も随分と良くなりました
このことから、本当のウサギさんの平均寿命は5、6歳より上になっているのかもしれませんね

ただし、人間もそうですが長寿になれば体にガタがくるのも宿命
人間の成人病と同じように、ウサギさんも加齢にまつわるいろんな疾患が出てくることと思います
いつまでも長生き出来るようなペット環境を整える必要性があるのです
いきつけの獣医さんと連携して、健康管理に注意していきたいですね

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