更新日2004年4月17日

「兎粘液腫とはなんぞや?」

思いつきでテーマを決めるこのコーナー。今回は「兎粘液腫(ミクソマトーシス)」です。
(参考文献:アン・マクブライド著「ウサギの不思議な生活」,動物衛生研究所NIAH「兎粘液種」)

●ミクソマトーシス?
この聞き慣れない呪文のような言葉を始めて耳にしたのは今から数年前。
イギリスのロックグループの曲目に、同名の曲があったからです。
なんでもウサギの伝染病で、その感染力は凄まじいものがあるとか..
それは海外だけのものなのか? 日本では感染しないのか? 早速調べてみた次第です

●害獣駆除として故意に導入!
粘液種とは、粘液種ウイルスによって引き起こされる伝染病です。
主に野生動物より感染し、家で飼われているウサギが感染すると潜伏期間は2〜5日で
その後感染部位の皮膚が浮腫化し腫脹、やがて呼吸が出来なくなり死んでしまうという恐ろしい病気です
眼や鼻、耳、そして肛門生殖器も腫脹。結膜炎になり膿性の目やにが出るそうです

もともと中央アメリカのノウサギが自然宿主だった、ミクソーマウィルスですが
1953年、野生のアナウサギ駆除の為にイギリスで人為的に持ち込まれました。
その影響はすさまじく、約9割のウサギ達が亡くなったとのこと..
ただし、やがてそのウイルスの免疫を持ったアナウサギが現れ、もとの数までみるみる増加
結局元に戻ってしまったそうです。ウサギの繁殖パワーの圧勝ですね。サスガ..

このミクソーマウィルスの撒布はイギリスだけではなく、フランスやオーストラリアでも行われたようです
しかし、結果はどれも同じ。劇的に効果があったのは初めだけで、数年後には元に戻ってしまったようです

●治療不能
アナウサギにとっては脅威ともいえる粘液種ですが、人間など他の動物へは影響はないようです
ウサギでも、アナウサギ以外のノウサギ、ユキウサギはあまり感染例がないんだとか
しかし、アナウサギにとっては致命的な病気で、感染した場合の治療法は現在のところありません..
ただし、ワクチンを現在開発中とのこと。
もし感染したウサギがいるのなら、速やかな隔離と他のウサギ達への早期処置が必要です

●日本で感染する可能性は?
この粘液種ですが、我が日本では今のところ感染例は報告されていないそうです
なので、まず家にいるウサギさんが感染する可能性は低いといえます。
ただ、海外から輸入された個体の場合、万が一という可能性は否定できません..
日本にはヨーロッパのような野生のアナウサギが沢山いるわけではないので、
もしウイルスが検出されたとしても、爆発的な感染が広がるということは無いと思うのですが..

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